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柔道整復師を辞めたくなったら考えてほしい3つの選択肢

キャリア・転職
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「辞めたい」と思うのはあなたが弱いからではない

国家資格まで取ったのに辞めたいと感じてしまう。その気持ちに罪悪感を持つ必要はありません。

求人メディアの調査を横断すると、柔道整復師の転職理由には定番のパターンがあります(出典:wellness-job 2025実態調査ほか。※大規模な公的調査は存在せず、いずれも業界メディアの調査です)。

中でも根深いのは3つです。まず給料。「10年昇給なし」という声があるほど、役職ポストが少なく昇進の道が構造的に狭いです。次に拘束時間。

9時〜21時まで拘束12時間、昼に長い中抜けがあり、土曜も診療があります。最後に理想とのギャップ。国家資格を取ったのに、実務は「もみほぐし」中心で回転数を求められることが多い。

ほかにも人間関係や体力の不安がありますが、多くはこの3つのどれかと絡み合っています。

これらは、個人の頑張りで解決する種類の問題ではありません。療養費が減り続けて、施術所が飽和している業界構造の帰結です(詳しくは年収の記事で書きました)。だから「辞めたい」は正常な感覚です

ただ、資格を捨てる決断はまだ早いです。あなたの国家資格が活きる道があるので、有力な順に3つの選択肢を見ていきましょう。

選択肢1:機能訓練指導員として介護分野へ移る

働き方を変えたい人にとって、現時点で最も現実的な道です。

機能訓練指導員は、デイサービスや特別養護老人ホームなどで利用者の身体機能の維持・回復を支援する職種です。

介護施設には配置義務があり、柔道整復師とあん摩マッサージ指圧師は資格要件をそのまま満たします(はり師・きゅう師は実務経験の条件つき)。高齢化で求人は増え続けており、施設勤務のため残業は少なめ。

土日休みの施設も見つけやすい働き方です(出典:マイナビコメディカル、コメディカルドットコム)。

接骨院の「12時間拘束・中抜け・土曜診療」から抜け出したい人には、生活の形が根本から変わる選択肢になります。一方で、仕事の中心は施術ではなく機能訓練の計画と実施です。

「手技で治療がしたい」という思いが強い人は、物足りなさを感じるかもしれません。給与も勤務先次第で、上がるとは限りません。何を優先するかで判断してください。

選択肢2:資格はそのままで職場だけを変える

「仕事は好きだが、今の院がつらい」という人は、業界の外に出る前に、業界の中の移動を検討する価値があります。

鍵は、院の収益構造を見ることです。療養費(保険収入)は2011年度の約4,000億円強から2021年度の2,867億円まで減り続けています(出典:厚労省資料)。

保険依存の院ほど経営が苦しく、給料も上がりにくい。逆に、自費施術への移行が進んだ院や、美容鍼灸・美容整体の分野は、この縮小構造の外にあります。

同じ資格・同じ技術でも、乗っている船が違えば待遇の伸びしろが変わるわけです。

前の職場がつらかった理由が「院長との関係」や「回転数ノルマ」なら、それは業界全体の問題ではなく、その院の方針の問題だった可能性もあります。少人数の院は当たり外れが大きい。

私は患者として何院も渡り歩きましたが、患者への説明時間を確保している院と、流れ作業の院の差は、施術台の上からでもはっきり分かりました。患者に選ばれている院は、働く側にとっても方針が明確なはずです。

選択肢3:独立開業する

業界の王道であり、雇われの年収の頭打ちを破る事実上の手段でもあります。分院長を経て開業するルートが典型です。

ただし、この選択肢だけは慎重に書きます。開業して成功した人の年収例は華やかに紹介されがちですが、開業者の年収分布を示す信頼できる公的データは存在しません(業者調査のみ)。そして市場環境は向かい風です。

施術所は2024年時点で50,924カ所と飽和しており、増加はほぼ止まりました(出典:厚労省・衛生行政報告例)。パイが縮む市場に、貯金と生活を賭けて参入することになります。

独立を目指すなら、「いつか」ではなく、修行先を選ぶ段階から逆算してください。自費メニューの作り方や集客を学べる院で働くこと自体が開業準備になります。選択肢2と選択肢3は、実はつながっています。

迷ったら自分の市場価値を確かめる

3つの選択肢に共通する第一歩は、今の自分にどんな求人があるのかを知ることです。辞表を出す前に、機能訓練指導員の求人条件と、自費移行院の求人条件を実際に見比べてみてください

数字で比べれば、「辞めたい」という感情が「どこへ動くか」という計画に変わります。

資格を捨てるかどうかの判断は、その後でも遅くありません。患者の立場から言わせてもらえば、あなたたちの技術に救われている人間は確実にいます。私もその一人です。

すり減って業界を去る前に、資格が活きる場所を探してみてほしいと思います。

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